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妻鳥純子

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「女の愛と生涯」 を中心に ローベルト・シューマンとその時代 第4回 ドイツ歌曲への誘い 16.Sept .2015

  • 妻鳥 純子
  • 2015年9月16日
  • 読了時間: 3分

.           ハインリヒ・ハイネ 私はとても悲しい 何を意味するのかはわからないが 古い時代のおとぎ話が 私の心から離れない 風は冷たく、もう夕暮れだ ライン川は静かに流れている 山の頂は 夕陽に輝いている とても美しい乙女が岩の上に座っている この世のものとも思えない美しい姿 彼女の金色の飾りが光っている 彼女はブロンドの髪をくしけずる 彼女は髪を金色の櫛ですきながら 歌を歌っている そ の歌はなんとも美しく 人の心を惑わすメロディだ その歌は小さい船にのった水夫の心を 荒々しい悲しみで満たす; 水夫は近づく岩礁を見ずに ただ、ただ上を見上げる ついに水夫と小舟は 波に飲み込まれる そしてそれはローレライが 歌を歌ってやった仕業だと、私は思う (妻鳥純子訳 150829)

Die Lorelei             Heinrich Heine Ich weiß nicht, was soll es bedeuten, Daß ich so traurich bin; Ein Märchen aus alten Zeiten, Daß kommt mir nicht aus dem Sinn. Die Luft ist kϋhl und es dunkelt, Und ruhig fließt der Rhein; Der Gipfel des Berges funkelt Im Abendsonnenschein. Die schönste Jungfrau sitzet Dort oben wunderbar, Ihr gold'nes Geschmeide blitzet, Sie kämmt ihr gold'nes Haar. Sie kämmt es mit gold'nem Kamme Und singt ein Lied dabei; Das hat eine wundersame, Gewaltige Melodei. Den Schiffer im kleinen Schiffe Ergreift es mit wildem Weh; Er schaut nicht die Felsenriffe, Er schaut nur hinauf in die Höh'. Ich glaube, die Wellen verschlingen Am Ende Schiffer und Kahn; Und das hat mit ihrem Singen Die Lorelei getan.

今回の「第4回ドイツ歌曲への誘い」は、       Frauenlieben-und Leben「女の愛と生涯」 を中心にローベルト・シューマンとその時代      と 銘打っている。 Frauenlieben-und Leben「女の愛と生涯」全曲を演奏するつもりであるが、前回までのように、例えばErlkönig「魔王」でのようにドイツ語朗読と、訳詞朗読をするのは、歌う方もお聴きになられる方も、集中が途切れてきついと思われるので、前半4曲、後半4曲と分けて、日本語訳詞を読んでいただき、歌おうと思っている。  Robert Schumann というとClara Schumannが同時に出て来る。  2010年12月19日(日)旧東京音楽学校奏楽堂 に於いて 「ローベルト&クラーラ シューマン歌曲の夕べ」と題してリサイタルを行った。クラーラの曲で大変心に残っている曲が、Liebeszauber 「愛の魔法」と, 上記の ローレライ Die Lorelei であった。クラーラ・シューマンは歌曲を23曲書いている。その歌曲の最後の作品J.W.v.ゲーテの Das Veilchen 「すみれ」も大変素敵な曲で、これはアンコールで歌おうと思っている。 クラーラがモーツァルトMozart の 「すみれ」Das Veilchenを聴いてずっと心に残っていた‥‥と何かの本で読んだ。モーツァルトは、曲の最後に ‥‥Das arme Veilchen, es war ein herzigs Veilchen ! と一行付け加えているが、クラーラは原詩のまま作曲している。 上記のローレライ Die Lorelei も、フランツ・リストのようではなく、原詩そのままであるのが大変嬉しく、心に沁みる作品である。


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