「ドイツ歌曲への誘い」 vol.8 眠りの精 ~ ヨハネス・ブラームス 15.Dez .2016
- 妻鳥 純子
- 2016年12月15日
- 読了時間: 3分
12月17日(土)19:00 西条市総合文化会館 リハーサル室に於いて 「ドイツ歌曲への誘い」を行います。(下記 チラシ参照)

詳細はこちらへ http://www.sogobunka.com/jigyo.html
真鍋和年氏の「ブラームスの音楽と生涯 (続編)」の講義と、真鍋ひろ子(訳詞朗読)。
妻鳥純子(アルト)、ピアノ(渡辺正子)で、演奏いたします。
♪♪ 演奏曲目
♪ 雨の歌 Regenlied
♪ 余韻 Nachklang
♪ 5月の夜 Die Mainacht
♪ 眠りの精 Sandmännchen 月の光に、花も草も…・(堀内敬三訳)
――――――――――― 休憩 ――――――――――
♪ ブラームスの音楽と生涯 ((続編))
♪♪ 4つの厳粛な歌 Vier ernste Gesänge
プログラム・ノート
「歌曲は今や方向を誤っているので、どんなことがあろうとも、すくなくともひとつの理想的な存在をしっかりと心に留めておかなければなりません。それは民謡です。」 この言葉はブラームスがクラーラ・シューマンに歌曲についての自分の立場を表明したものである。 今日の「ドイツ歌曲への誘い」のタイトルの「眠りの精」Sandmännchen は、ヨハネス・ブラームスが、生涯親しくしたシューマンの子供たちへ贈った、愛情あふれる民謡編曲声楽曲です。堀内敬三の有名な訳は皆様ご存知のではないか思います。 ブラームスの個々の歌曲のいくつかは、大きな流行を見た。ルートヴィヒ・ヘルティの詩による≪5月の夜≫ Die Mainacht、ヘルマン・アルマースによる≪野の寂しさ≫ Feldeinsamkeit、ヘルマン・リリングによる ≪わがまどろみはいよいよ浅く≫ Immer leiser wird mein Schlummer、中でも≪子供の不思議な角笛≫から歌詞を取った≪子守歌≫がそうである。‥‥…≪5月の夜≫は、今日のプログラムに入っています。≪わがまどろみはいよいよ浅く≫は、前回に演奏いたしました。‥‥… ブラームスは35年間に全部で196曲の歌曲を含む31に及ぶ曲集を出版した。 クラウス・グロート (1819~999) 北ドイツの民族詩人。ブラームスが初めて彼と会ったのは20代のはじめだった。長い交友の間に、ブラームスは14もの彼の詩に曲をつけている。今宵歌う「雨の歌」Regenliedは、ヴァイオリンソナタ第1番「雨の歌」Op.73 の3楽章に「雨の歌」のメロディーが聴かれる。詩人のクラウス・グロートは、クラーラ・シューマンがブラームスに紹介した。
フランツ・シューベルトは「美しき水車小屋の娘」「冬の旅」など連作歌曲集を作っているが、ブラームスの連作歌曲の一つ目は、ルートヴィヒ・ティークのマゲローネMageloneから歌詞を取った15曲のロマンス(Op.33)です。 2番目の連作歌曲は、4ernste Gesänge≪4つの厳粛なる曲≫である。……… 1896年春クラーラ・シューマンが2度の卒中に見舞われ、彼女の死の知らせを受け取った時、棺を見送る為にボンに旅立った。「4つの厳粛な歌」はすでにその時までには作曲されていたが、現在ではそれがクラーラの病気を心配しながら書かれたのかどうかは誰にもわからない。ブラームスはこの曲集をマックス・クリンガーに捧げ、それによって問題をぼかしてしまった。 ブラームスは生涯を通して、自分の本当の感情を隠すことをおぼえた。また、内面的な動揺をおさえることに熟達し、他の人から自分の心が読み取られそうになるとひらりと身をかわした。彼は毒にも薬にもならない献呈でこの作品についての自分の死後の論議を避けようと願ったのかもしれない。 このプログラム・ノートは、【クラッシック音楽史大系の8巻、「ブラームスとフランツ・ヨーゼフの時代、ハインツ・ベッカー著、門馬直美訳」を参考にしています。その中には「4つの厳粛な歌」の初版のタイトルページが載せられており、『この曲はブラームスの生存中に出版された最後の作品。彼はこの曲を、クラーラ・シューマンの死の2週間前、1896年の自分の誕生日に完成。彼はこの公開演奏に立ち会わなかったものの、友人リヒャルト・ホイベルガーが演奏した時には、感動のあまり泣き崩れたという。』…‥‥…・‥… と書かれています。 声楽の勉強中に出会っていたブラームスに再会して、心と耳を洗われたような想いを抱いています。 妻鳥純子
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